自治体イベント委託費用相場と5つの削減方法
自治体イベントを外部に委託するときの費用は、「どこまで任せるか」と「開催期間の長さ」で大きく変わります。システムだけを使うのか、景品やキャンペーンサイト、チラシ・ポスターなどの販促物、事務局運営、広告出稿まで任せるのかによって、見積もりの中身が大きく違ってくるためです。
デジタルスタンプラリーとは、紙の台紙の代わりにスマートフォンでスポットのQRコードを読み取るなどしてスタンプを集め、複数の場所を巡ってもらう周遊イベントのことです。でらっくじ(名古屋市の株式会社パーが提供するデジタルくじ・デジタルスタンプラリーのサービス)の場合、短期・シンプルな構成なら20万円程度から実施できます。
この記事では、委託費用の内訳、委託範囲による費用の違い、費用を抑える5つの方法を紹介します。名古屋・愛知の事例と、でらっくじのキャンペーン現場を担当するコミュニティディレクターの高木さんの話も交えています。
自治体イベントの委託費用の相場はどれくらいか
自治体イベントの委託費用には、どの企画にも当てはまる一律の相場はありません。金額を左右するのは、委託する業務の範囲、開催期間、参加スポットの数です。でらっくじでデジタルスタンプラリーを実施する場合、短期・シンプルな構成なら20万円程度からです。
数か月にわたる周遊キャンペーンになると、システムに加えて、景品費、キャンペーンサイト、チラシやポスターなどの販促物、事務局運営、広告出稿が加わるため、金額は上がります。どこまで上がるかは企画の内容によって大きく変わります。詳しくは料金ページをご覧ください。
期間ごとに、費用に含まれやすい項目を整理すると次のとおりです。
| 期間の目安 | 費用に含まれやすい項目 | 企画の例 |
|---|---|---|
| 短期・単発(1日〜数日) | システムと、QRコード台紙などの最小限の販促物が中心。でらっくじの場合は20万円程度から | 会場内を巡るイベント、週末のマルシェ |
| 長期(数週間〜数か月) | システムに加えて、景品費、キャンペーンサイト、チラシやポスターなどの販促物、事務局運営、広告出稿が加わりやすい | 市内全域の周遊キャンペーン、複数施設が参加する広域企画 |
自治体が委託を選ぶ背景には、職員の手が限られるなかで、参加施設との調整や参加者からの問い合わせ対応までを庁内で抱えきれないという事情があります。委託範囲を広げるほど費用は上がりますが、そのぶん庁内の作業は減ります。費用と庁内の負担のどちらを優先するかを先に決めておくと、見積もりを比べやすくなります。
デジタルスタンプラリー・デジタルくじの企画、まずはご相談ください
企画が固まっていなくても大丈夫です。目的やご予算をうかがい、進め方と費用の目安をお伝えします。
デジタルスタンプラリーの費用は何で決まるのか
デジタルスタンプラリーの費用は、システム、景品費、キャンペーンサイト、販促物、事務局運営、広告出稿の6つに分けて考えると整理できます。システム以外の5項目は、委託するかどうか、どこまで作るかを企画ごとに選べるため、総額の差はここで生まれます。
| 費用の項目 | 主な中身 | 金額が変わるポイント |
|---|---|---|
| システム | スタンプラリーやデジタルくじの仕組みの提供、スポットや景品の設定、画面のカスタマイズ | スポット数、くじ・キャラクター・アンケート・多言語表示などの機能を足すか |
| 景品費 | 抽選で当たる景品や、ポイントと交換できる景品の調達・制作 | 景品の数と単価、オリジナルグッズを作るか、地域から提供を受けるか |
| キャンペーンサイト | 参加方法、スポット、景品を案内するWebページ | 専用サイトを作るか、自治体や施設の既存ページ・SNSで案内するか |
| 販促物 | チラシ、ポスター、QRコード台紙の制作・印刷・発送 | 種類と部数、発送先の施設数 |
| 事務局運営 | 参加者からの問い合わせ対応、店舗・施設への参画依頼と説明会、運営マニュアル作成、景品の手配・郵送、報告書作成 | 参加施設の数、期間の長さ、景品発送の有無 |
| 広告出稿 | SNS広告などの有料の告知枠 | 出稿する媒体と期間 |
景品費を見積もるときは、景品表示法の上限も確認しておきましょう。抽選で当たる一般懸賞の場合、景品1つあたりの上限額は取引価額5,000円未満なら取引価額の20倍、5,000円以上なら10万円で、景品の総額は売上予定総額の2%までです。購入者や来店者の全員に渡す総付景品は、取引価額1,000円未満なら200円、1,000円以上なら取引価額の10分の2までです。判断に迷う場合は、消費者庁の案内を確認してください。

委託範囲によって費用はどう変わるのか
委託費用は、システムだけを使う形から、企画立案・施設調整・事務局運営・景品発送までまとめて任せる形まで、範囲が広がるほど上がります。範囲を狭めると費用は抑えられますが、そのぶん主催者側が担う作業が増えます。
名古屋・愛知のでらっくじの事例から、委託範囲の違いを並べると次のとおりです。
| 委託の形 | 事例 | でらっくじが担った主な業務 |
|---|---|---|
| システム+最小限の販促物 | 中川運河松重閘門エリア(4スポット) | デジタルスタンプラリーの仕組み、QR台紙の制作・印刷(事務局対応はなし) |
| システム+販促物+事務局の一部 | 円頓寺商店街の年末企画(2024 円頓寺商店街 宝くじキャンペーン、2025 円頓寺商店街 年末BIG宝くじ/約40店舗) | デジタルくじの仕組み、A4チラシ・A2ポスターの制作・印刷、参加スポットの管理・調整、店舗向け説明会、運営マニュアル、報告書作成 |
| 企画から景品発送まで一括 | 旅ろっ!愛知×ぐるっとツアー(54市町村・約300スポット) | 仕組みの提供、300以上の施設への参画依頼と調整、オンライン説明会、運営マニュアル、チラシ・ポスターの制作・発送、ユーザーサポート、メールマガジン、景品の制作・手配・発送 |
中川運河松重閘門エリアは、社会実験として2025年9月に4スポットを巡ってもらったデジタルスタンプラリーで、約100名が参加しました。でらっくじが担ったのは仕組みとQR台紙の制作・印刷で、景品の交換は現地でスタッフが参加者の画面を確認する形で行われています。
一方、旅ろっ!愛知×ぐるっとツアーは、愛知県内54市町村にまたがる広域周遊キャンペーンです。施設数が多い企画では、情報共有や販促物の手配、問い合わせ対応、景品発送まで含めた事務局の体制が欠かせません。事例ページの運営担当者コメントでも、施設との交渉や運用面の整理、景品発送代行まで一貫して対応したことが挙げられています。
名古屋・愛知のそのほかの事例は、名古屋・愛知のデジタルスタンプラリー事例まとめでも紹介しています。
自治体イベントの委託費用を抑える5つの方法
委託費用を抑える方法は、次の5つです。どれも「何を削るか」より「何を残すか」を決める考え方で、削りすぎると参加者が集まらない項目もある点に注意が必要です。
- 委託範囲を切り分け、自治体側で担える業務を決める
- 小さく始めて、効果を見てから広げる
- 前回の企画や素材を使い回す
- 景品を地域の協力でまかなう
- 広告費をかけない告知を組み合わせる
方法1:委託範囲を切り分け、自治体側で担える業務を決める
まず、自治体側で無理なく担える業務と、外部に任せたい業務を分けます。たとえば、告知は自治体の広報誌や公式SNSで行い、委託はシステムと販促物の制作に絞る、という分け方です。でらっくじの対応範囲は、企画立案、システム提供、参加施設との調整、広報物制作、事務局運営、景品発送まであり、必要なものを組み合わせて依頼できます。
注意したいのは、委託を減らしたぶんの作業が参加店舗にしわ寄せされないようにすることです。でらっくじでは、参加者のスマホで不具合が起きたときの相談は店舗ではなく事務局が受け、店舗にお願いするのはQRコードの掲示物を貼っていただくことと簡単な案内にとどめています。この線引きの考え方は、デジタルスタンプラリーで店舗の負担を減らすには|担当者に聞く役割分担の設計で高木さんに聞いています。
方法2:小さく始めて、効果を見てから広げる
初年度からスポット数や期間を大きく取るより、範囲を絞って試し、反応を見てから広げるほうが予算を組みやすくなります。初年度の数字は、翌年度の予算を説明する根拠にもなります。
円頓寺商店街では、2024 円頓寺商店街 宝くじキャンペーンが商店街として初めてのスマホ参加型の企画でした。前年の企画が好評だったことから翌年も相談を受け、2025 円頓寺商店街 年末BIG宝くじでは、商店街の運用を優先して画面構成をシンプルにするなど、1年目の経験をもとに設計を見直しています。
相談から開催までの進め方は、ご利用の流れで確認できます。

方法3:前回の企画や素材を使い回す
毎年開催するイベントなら、前回つくったキャラクター、画面デザイン、チラシやQRコード台紙のデザイン、運営マニュアルなどを翌年に生かせるかを確認しましょう。新しく作る部分が少ないほど、制作にかかる費用は抑えやすくなります。でらっくじはシステムを自社で開発しているため、前回の企画をもとに内容を手直しする相談にも対応できます。
一方で、毎回まったく同じ内容だと、リピーターにとっては新鮮さが薄れがちです。使い回す部分と新しく加える部分を分けて考えると、費用と楽しさのバランスを取りやすくなります。
方法4:景品を地域の協力でまかなう
景品を一から調達・制作する代わりに、地域で使える割引券や、商店街・店舗から提供いただいた品を景品にする方法があります。中川運河松重閘門エリアでは、貯めたポイントに応じて、現地の飲食ブースで使える割引券などと交換する形をとりました。
高木さんは、店舗や施設から「うちでもできる?」と相談されたときの考え方として、「商店街がベースであれば、もう少しコストを抑えてやれると思っていますし、個店でやっていけるような内容で、景品も提供いただけるなら、それをどんどん回していただければいいかなと思っています」と話しています(デジタルスタンプラリーで店舗の負担を減らすには|担当者に聞く役割分担の設計)。
ただし、店舗に景品の提供をお願いする場合は、店舗側の持ち出しになります。高木さんは、商店街で景品の協力をお願いするときは、お願いする範囲を景品の協力だけに絞って丁寧に説明するようにしています。声のかけ方はデジタルスタンプラリーの参加店舗はどう集める?|担当者に聞く声かけと説明のコツで聞いています。

方法5:広告費をかけない告知を組み合わせる
広告出稿は削りやすい項目ですが、告知そのものをやめてしまうと参加者は集まりません。高木さんは、予算の関係で広告が出せない、チラシを刷って掲示していくことができないといった企画について、「そういうときは、ちょっと危ないなと感じます」と話しています(デジタルスタンプラリーで参加者が伸びないとき|担当者に聞く告知術)。
広告費をかけられない企画で、でらっくじが重ねているのは、Instagramでイベント告知をしている方への一件一件のDM依頼、無料で使えるPRツールの活用、ラジオやテレビに取り上げてもらうための働きかけです。
一方で、手応えが薄かった方法もあります。高木さんは「私が知り合いに直接会ったときに『このキャンペーン、参加してみませんか』とお願いするやり方は、あまり効きませんでした。その場では『いいね』と言ってもらえても、『また今度ね』で終わってしまいがちなんです」と振り返り、「もちろん、口コミで広がって参加してくださる方もいらっしゃるので無駄ではないと思っています。ただ、施策として数字に出るかというと難しいところだな、というのが実感です」とも話しています(デジタルスタンプラリーで参加者が伸びないとき|担当者に聞く告知術)。無料の告知を選ぶときも、効果を数字で確かめやすい方法から重ねていくのが現実的です。
委託先の見積もりを比べるときに確認したいことは
見積もりは総額だけで比べず、同じ条件で依頼したうえで、どの業務が費用に含まれているかを確かめることが大切です。特に、事務局運営の範囲と、追加費用が発生する条件は、契約前に書面で確認しておくと安心です。
- イベントの目的、開催期間、スポット数の想定を整理する
- 委託したい業務を、システム・景品・キャンペーンサイト・販促物・事務局運営・広告出稿の項目ごとに書き出す
- 複数の事業者に、同じ条件で見積もりを依頼する
- 参加者からの問い合わせ対応、景品の発送、報告書の作成が含まれているかを確認する
- 参加者数が想定を超えた場合や、追加の広報が必要になった場合の扱いを確認する
項目ごとに並べておくと、「A社の金額には事務局運営が入っていなかった」といった食い違いに、契約前に気づけます。金額だけでなく、サポートの内容や過去の実績もあわせて比べてください。
委託費用の効果は、どう測って翌年度の予算につなげるか
委託費用の効果を示すには、開催前に目標を決め、期間中と終了後の数字で振り返るのが近道です。デジタルスタンプラリーは参加の記録がデータで残るため、紙の台紙を回収して集計する方式に比べ、開催中の状況をつかみやすくなります。
目標は、「参加者数を前年比20%増」「5か所以上を巡った参加者を増やす」のように、終了後に数字で振り返れる形にしておきます。高木さんは開催期間中、企画全体の参加状況を示すユーザー数と、スポットごとのQRコード読み込み数を毎日確認しています。期間中の動き方はデジタルスタンプラリー初日、運営は現場に張り付くのか|担当者に聞くで詳しく聞いています。
事例ページでは、中川運河松重閘門エリアで約100名が参加したこと、旅ろっ!愛知×ぐるっとツアーで100スポット以上を周遊したユーザーが20名以上いたことを紹介しています。こうした「何人が、どれだけ巡ったか」の記録は、翌年度の予算を説明する材料になります。終了後の報告書作成を事務局運営に含めるかどうかも、見積もりの段階で決めておきましょう。

デジタルスタンプラリーと自治体イベント委託の費用に関するよくある質問
デジタルスタンプラリーの費用はどれくらい?
企画の規模と委託範囲によって変わります。でらっくじの場合、短期・シンプルな構成なら20万円程度からです。長期のキャンペーンでは、景品費やキャンペーンサイト、販促物、事務局運営、広告出稿が加わるため金額が上がります。
自治体イベントを委託するといくらかかる?
一律の相場はなく、委託する業務の範囲、開催期間、参加スポットの数で決まります。システムだけを使うのか、施設調整や事務局運営、景品発送まで任せるのかで見積もりは大きく変わるため、項目ごとの内訳を確認して比べることをおすすめします。
長期の周遊キャンペーンだと費用が上がるのはなぜ?
期間が長く参加施設が多い企画ほど、システムに加えて景品費、キャンペーンサイト、チラシやポスターなどの販促物、事務局運営、広告出稿が必要になるためです。問い合わせ対応や施設との調整も期間中続くため、事務局運営の比重が大きくなります。
短期間のイベントでも委託できる?
できます。でらっくじでは、会場内を巡る1日のイベントや数日間の企画にも対応しており、最短5営業日での対応もご相談いただけます。開催日が決まっている場合は、早めにお問い合わせください。
参加店舗・施設に費用の負担はある?
でらっくじでは、多くのキャンペーンで店舗にQRコードの掲示物を貼っていただくだけで、費用の負担は発生しません。ただし商店街の企画などで、景品を店舗から提供いただく設計にする場合があります。その場合は、お願いする範囲を事前に丁寧に説明しています。
委託費用を検討している自治体のご担当者様へ
委託費用は、何を任せ、何を自治体側で持つかを決めることで、予算に合わせて組み立てられます。でらっくじでは、システムだけのご相談から、企画立案、参加施設との調整、広報物制作、事務局運営、景品発送までまとめたご相談まで受け付けています。
これまでの企画は事例紹介にまとめています。予算に合わせた構成のご相談はお問い合わせからどうぞ。
でらっくじへのご相談・資料のご請求
名古屋・愛知をはじめ、自治体・観光・商店街の周遊企画を企画から運営まで支援しています。サービスの詳しい資料もお送りしています。
でらっくじについて
自治体・観光の周遊イベントに最適!名古屋発のデジタルくじ・デジタルスタンプラリー「でらっくじ」は、QRコードやURLから参加できるスマホ参加型のデジタルくじサービスです。参加する方はアプリのインストール不要。スマホひとつで参加できます。
できることは、シンプルなデジタルスタンプラリーだけではありません。
- くじ・抽選の楽しさを足せる:スポットを巡って集めたポイントで、抽選に応募したり景品と交換したり。「回るだけ」で終わらない体験をつくれます
- デザイン・演出にこだわれる:でらっくじを運営する株式会社パーは、デザインが得意なIT会社です。キャンペーンサイトやSNS動画、チラシ・ポスターまで、プロのデザイナーが世界観ごとつくります
- キャラクターを集められる:ポイントや景品と一緒にオリジナルキャラクターを獲得し、マイページでコレクションできます。「もう1か所回ろう」の動機になります
- 広報・PRまで任せられる:プレスリリース制作や取材依頼、景品グッズの企画・手配もお手伝いします
- 事務局運営まで引き受けられる:参加者からの問い合わせ対応、店舗・施設への参画依頼や説明会、景品の手配・郵送、報告書の作成まで対応します
- 100%自社開発だから柔軟:標準機能にとどまらず、ご希望に合わせたカスタマイズや追加機能の開発ができます
観光、自治体、商業施設、商店街、イベントなど、さまざまな現場で活用されています。できることの一覧はこちら。
