デジタルスタンプラリーはいつから準備する?|担当者に聞く年度予算とスポット選び
「うちには、観光名所なんてないから」。広域の周遊企画を進めていると、自治体のご担当者様からこんな言葉が返ってくることがあります。
来年度に向けた予算取りのタイミング、実施時期からの逆算、年度末の締め、そしてスポット探し。自治体・観光協会のデジタルスタンプラリーには、年度単位ならではの段取りがあります。
今回インタビューしたのは、自治体・観光協会の案件を担当するコミュニティディレクター・高木美保です。
デジタルスタンプラリーとは、紙の台紙の代わりにスマートフォンを使い、スポットに置かれたQRコードなどを読み取ってスタンプを集める周遊イベントのことです。でらっくじは名古屋の株式会社パーが運営するサービスで、参加する方はアプリのインストールが不要。スポットを巡るとポイントや景品がランダムで当たる「くじ」の要素があり、集めたオリジナルキャラクターをマイページでコレクションすることもできます。
この記事では、高木さんが自治体案件でいつから動き始めるのか、年度末の進行でつまずいた経験、そして観光名所が少ない町や村でどうスポットを見つけていくのかについて話を聞きました。
自治体のデジタルスタンプラリーは、いつから準備を始めるべきか
自治体の事業は年度単位で動きます。いつ相談を始めれば翌年度のデジタルスタンプラリーに間に合うのかは、検討中のご担当者様にとって気になるところです。

―― 高木さんは、自治体案件ではいつ頃から動き始めますか。
高木 自治体案件に限らないのかもしれませんが、自治体案件の場合は、秋口にかけて来年度の予算を決めるところが多いんです。なので、声をかけていただいた時点で「これはうちと一緒にやれるかもしれない」となったら、すぐに提案を出します。
―― 予算が決まって実際に案件がスタートしてからは、高木さんはどう逆算してスケジュールを組みますか。
高木 たとえば夏に始まるイベントであれば、3月ぐらいから動き始めないといけません。ただ、そこはスケジュールや、いくつ実施するのか、イベント自体の期間にもよるかなと思います。
予算取りの段階で高木さんが出す提案
予算が決まったあとの案件では、その範囲に収めることが前提になります。一方、これから予算を取りに行くデジタルスタンプラリーの案件では、提案の考え方が少し変わるといいます。
―― これから予算を取りに行く自治体案件では、高木さんはどのような提案を出していますか。
高木 民間の場合は、いつも「予算に合わせますよ」とお伝えするのですが、秋口に来年度の予算を決める自治体の案件は、これから予算を取りに行くものだと思うんです。
なので、基本的には、ある程度やりたいことを詰め込んだうえで、予算ギリギリのところを狙って出します。秋口は、予算取りに向けた提案に集中する時期ですね。
年度末の景品手配で高木さんが反省していること
年度末は、多くの自治体案件で締めの作業が重なる時期です。高木さんにも、この時期ならではの苦い経験があるそうです。

―― 年度末に納品が集中する進行で、高木さんが困った経験はありますか。
高木 もう、めちゃくちゃあります。私もよくなかったのですが、景品って何だったっけ、となったことがあって。景品を送りますね、という段階になって、景品がない、ということがありました。
1年を通して行うイベントで、景品を3月などに早めに送るのであれば、年末ぐらいには手元に用意しておかなければいけなかったな、というのがあります。そこは自分もよくなかったと考えています。
広域のデジタルスタンプラリーで、スポット選びが大変になるのはなぜか
でらっくじでは、愛知県内54市町村・約300スポットを巡る旅ろっ!愛知×ぐるっとツアーのように、複数の市町村をまたぐ広域の周遊企画も手がけています。範囲が広がるほど、スポットをどう集めるかが課題になります。

―― 複数の市町村をまとめる広域案件で、高木さんが特に大変だと感じるのは何ですか。
高木 これはまさしくなのですが、地域によっては観光名所のようなところがないことです。それに、自治体のご担当者様自身が「うちはそんなに観光とかないから」となってしまっているところもあります。「うちはそういうのないから」と言われてしまうと、どうしようとなるんです。そこはすごく大変ですね。
名古屋市内なら観光名所はたくさんありますし、刈谷なら刈谷ハイウェイオアシスがあって、お隣の安城にもいろいろありますよね、と出てきます。でも村や町は、市に比べると、スポットになってくれそうなところが本当に少ないんです。
観光名所が少ない町や村でのスポットの探し方
ご担当者様から候補が出てこない地域でも、デジタルスタンプラリーを実施するにはスポットが必要です。高木さんたちはどのように候補を見つけているのでしょうか。

―― 候補が見つからない地域では、高木さんたちはどうやってスポットを探していますか。
高木 自分たちで探します。本当に人海戦術のようなものですが、インスタグラムなど各種SNSで、少し話題になっていたり、フォロワー数が多かったりするところを調べて、片っ端からアプローチしていきます。ここ流行っていそう、おしゃれだな、というところで選定していく感じですね。基本的には飲食店からアプローチすることが多いです。
ただ、そのときも個店さんからすると「何それ」となってしまうので、自治体がバックについていますよ、とお伝えしながら選定を進めていきます。
スポットに選ばない場所もある
―― 高木さんたちが声をかけるスポットは、どこでもいいのでしょうか。
高木 どこでもいいわけではないんです。あまり良い例ではないかもしれませんが、たとえば夜のお店などです。自治体の企画は子ども向けだったり、お昼の時間帯にも参加できるイベントとして実施していたりするので、そういうところは選ばないようにしています。
関連記事「自治体案件と民間案件の決裁と予算の違い」では決裁や資料づくりを、「観光課のご担当者様が抱える告知と予算の悩み」では告知の工夫を聞いています。
自治体のデジタルスタンプラリーのスケジュールに関するよくある質問
本文の内容をもとに、年度スケジュールやスポット選びについてご担当者様が気になりそうな点をまとめました。
自治体が来年度にデジタルスタンプラリーを実施したい場合、ご担当者様はいつ相談すればよいですか?
自治体では秋口に来年度予算を決めることが多いため、この時期の相談がひとつの目安になります。高木さんは、声をかけてもらった時点で一緒にやれそうだと判断すれば、すぐに提案を出しています。
自治体が夏に開始するには、いつから準備が必要ですか?
高木さんの目安では、夏に始めるなら3月ごろから動き始める必要があります。実施する数やイベント自体の期間によっても変わります。
運営側は、景品をいつまでに用意すればよいですか?
1年を通して行うイベントで3月ごろに景品を送る場合、高木さんは年末ごろには手元に用意しておくべきだったと振り返っています。年度末は作業が重なりやすいため、景品の準備は早めに進めておくと安心です。
観光名所が少ない町や村でも、高木さんたちはスポットを見つけられますか?
ご担当者様から候補が出てこない地域では、高木さんたちがインスタグラムなどのSNSで話題のお店を調べ、自治体がバックについていることを伝えながら声をかけていきます。基本的には飲食店からアプローチすることが多いそうです。
どんなお店でも、自治体のデジタルスタンプラリーのスポットになれますか?
自治体の企画は子ども向けだったり、お昼の時間帯にも参加できるイベントだったりすることが多いため、夜のお店などは選ばないようにしています。
自治体のご担当者様へ、スポット選びで高木さんが助かること
最後に、広域の周遊企画に関わる自治体のご担当者様へ、高木さんからメッセージをもらいました。
―― スポット選びについて、自治体のご担当者様に高木さんが伝えたいことは何ですか。
高木 自治体のご担当者様に「何かありますか」とお聞きして、「こういうところがありますよ」と教えていただけるところは、すごく助かります。
それに、この仕事を通して「こんなところがあったんだ」と知ることがすごく多いんです。私は地理が好きなので地名は知っていたのですが、街を知るうえでは面白いなと思っています。
でらっくじについて
自治体・観光の周遊イベントに最適!名古屋発のデジタルくじサービス「でらっくじ」は、QRコードやURLから参加できるスマホ参加型のデジタルくじサービスです。参加する方はアプリのインストール不要。スマホひとつで参加できます。
できることは、シンプルなデジタルスタンプラリーだけではありません。
- くじ・抽選の楽しさを足せる:スポットを巡って集めたポイントで、抽選に応募したり景品と交換したり。「回るだけ」で終わらない体験をつくれます
- デザイン・演出にこだわれる:でらっくじを運営する株式会社パーは、デザインが得意なIT会社です。キャンペーンサイトやSNS動画、チラシ・ポスターまで、プロのデザイナーが世界観ごとつくります
- キャラクターを集められる:ポイントや景品と一緒にオリジナルキャラクターを獲得し、マイページでコレクションできます。「もう1か所回ろう」の動機になります
- 広報・PRまで任せられる:プレスリリース制作や取材依頼、景品グッズの企画・手配もお手伝いします
- 事務局運営まで引き受けられる:参加者からの問い合わせ対応、店舗・施設への参画依頼や説明会、景品の手配・郵送、報告書の作成まで対応します
- 100%自社開発だから柔軟:標準機能にとどまらず、ご希望に合わせたカスタマイズや追加機能の開発ができます
観光、自治体、商業施設、商店街、イベントなど、さまざまな現場で活用されています。できることの一覧はこちら。
